JBL JEMBE

 TVの音楽番組を良い音で聴きたくて、別掲DIG-IIでのシステム時代からTV音声をオーディオ系へ送り込んでいた。TVは視野内空間における画面サイズの占める割合から感覚的に小型が好みで、当初は発色が好みの14インチとしていた。今でも飲み込まれそうな大型画面は避けて、32インチ、倍速液晶の緑発色が好みのモデルにしている。TVのステレオ放送の試験が始まった頃にはモノラル音声端子へステレオ分離回路を組んで取り付けてオーディオ系へ接続、音質はさほどではなかったもののステレオ放送のTV音楽番組に感激していた。

 その後ステレオ音声の送り出し機器の高音質化やTV側の復調特性は向上したが、TV受像器のスピーカーはデザイン優先でどんどん隅に追いやられTVの音自体には満足できないでいた。音楽番組の時だけオーディオ系へ切り換えての視聴としていたがさすがに切換が面倒、音の良いTV用サブスピーカーが無いものかと探していた。横長ボックスタイプが出回ってはいるが今ひとつしっくりこない中、PC用スピーカーとおぼしき珍しいデザインの物が目についた。JBLのJEMBEである。

 若かりし頃の国内JBL旋風を懐古しつつさっそく手に入れて接続、TV音楽番組を視聴すると我が駄耳にはオーディオ系と遜色ない再生音に感じられる。トーク番組や紀行番組など、TV画面にしっくり馴染んだ音場が再現されている。低域も過不足なく、帯域バランスもとても自然である。気合いを入れて音楽番組を視聴する時はオーディオ系へ切り換えているが、切換頻度は激減している。さすがのJBL。


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